2022/07/06
本ホームページでも紹介している当社の特許技術を使った野菜の栽培技術は、高品質の野菜を栽培することができ、その野菜を食べることにより、がんの予防になるだけでなく、脳卒中・心臓病・アルツハイマー病の予防にも有効であり、しかも好きな野菜を自在に栽培できる。我が家では、その栽培装置を家庭用に適用した小規模植物工場を作っている。毎日、新鮮な野菜を食卓にのせることができ、余った野菜は近所に配っており、好評を得ている。
まず、特許技術の要点を簡単にまとめておこう。特許1は、収穫前処理の条件を定めており、養液から窒素を除き、同時に青色光を照射することにより、抗酸化成分の増強(10〜20倍)、残留硝酸塩の低減、食味・風味の向上の効果を生む。特許2は、発芽期にMg++ 濃度を増すことにより細胞分裂を促進し、以後の発育を促進する効果を生む、この処理により苗の移植後に発育が促進され、収穫時期を1〜2週間短縮することができる。特許3は、Zn++ を増強することにより、活性型葉酸含量を数倍〜10倍に高め、同時にビタミンB群も数倍に増強することができる。これらの特許の効果は下図(図1)にまとめている。
これらの特許により生産された野菜の品質は露地野菜の品質を大きく上回ることが分かっている。これらの特許技術を使用しない従来の植物工場野菜の生産は、近い将来これらの特許を使用する野菜生産方式に置き換わっていくと予想される。これらの特許内容は、他の方法では代替が不可能であり、その意味で、これらの特許を使用した野菜の生産方式は、将来の世界標準になると予想している。
下の写真(写真1)は、上記特許技術を使用した家庭用の小規模植物工場の内部写真である。敷地面積は 10 m2 であり、中央の通路の両脇に3段の栽培棚がある。各栽培棚にはそれぞれ5本のLED が設置されており、そのうち2本のLED は赤:緑:青が3:1:1で、生育期に使用し、残り3本は青色光で収穫前処理の際に点灯させる。いずれもレイトロン社のLED である。
この栽培装置が通常の栽培装置と大きく異なるのは、栽培棚の下に設置している養液槽に加えて、もう一つ養液槽があり、そこには収穫前処理に必要な窒素を含まない養液が入っている。そのため、各栽培棚には、2つのコックが付いており、一つは通常の養液用、もう一つは窒素を含まない養液用である。各栽培槽には出口側にも2つの養液用のコックが付いている。野菜を収穫すべき時期になれば、通常の養液コックを閉め、養液が出てしまった後に窒素を含まない養液を入れる。出口側のコックもそれに応じて切り換える。同時に、青色光を点灯して、収穫前処理を始める。収穫前処理は通常2〜3日間である。
生育期では12 時間照明(朝6時〜夕方6 時)としている。この条件が通常の野菜(レタス、コマツナ、シュンギク、ホウレンソウ)の花芽誘導を抑えながら成長させる条件である。植物工場内の温度は年間を通じて25℃としている。本来は、季節に応じて夜間の温度は下げた方がよいのであるが、煩雑さを避けるため一定温度としている。植物工場全体の電気代金、水道代金は、月約1万円〜1万5千円程度である。
植物工場の建設は、庭の片隅の空き地を利用して、排水路を含めて最初から建設した。壁や天井には断熱材を使用して、外気の温度変化を受けにくいようにした。植物工場全体の建設費用は、内部の栽培装置を含めて約400万円であった。建設は、(株)恵葉&菜健康野菜(京都府精華町;TEL 0774-95-5165)に依頼した。
自宅で植物工場をもつことは、まだ一般的ではないかもしれない。しかし、毎日、新鮮な野菜を収穫できることは、食生活が豊かになる。さらに、がん、脳卒中、心臓病、アルツハイマー病などの予防にも役立つので、生活していく上で得る安心感は大きい。また、植物工場の一部にイチゴも栽培する計画である。野菜が毎日大きくなるのを見ながら生活できることは、大きな喜びである。しかも、年中無休で繰り返し栽培ができるのである。キャベツやハクサイ、ジャガイモなどの根菜類など、貯蔵のできる野菜は、従来通りスーパーなどで購入しているが、新鮮な緑色野菜を自宅で栽培収獲できることは、生活の充実感につながる。皆さんにも、退職、老後の楽しみと疾病予防のために、自宅用の植物工場の設置をおすすめする。
なお、当社の特許技術を自宅用に使う場合には、ライセンス契約は必要ない。生産した野菜を販売するなど、事業として展開する場合はライセンス契約が必要となる。